うさぎ探険譚
あたしはウサギなんだ。
白くふわりとした毛で覆われて、目はあのりんごの木の実のように真っ赤なんだ。
耳には黒い笹もようが左耳に縱一本!これがみんなが羨むあたしの見ためなの 。
でも、最近そんな美兎のあたしに不安があるの。
つららが勢いよくしずくをたらし、ふきのとうが地面から挨拶をし、緑が帰ってくる、そう、つまり、春の訪れのことよ。
春が訪れれば多くの盛った兎兎があたしに向かってくるでしょう。その証拠に昨年の秋、あたしは必死にこや逃げていた、発情したオス達から。彼らは必死にあたしを追い求めて追い求めてきたがあたしが今、まだここにいる。理由はあたしが、たまたまみつけた老夫婦の小屋へ、逃げ込むことができたからだ。
今回も知らぬ雄に犯されぬように、この小屋を使うことにした。
食料も豊富にあり、