みた夢が印象深かったら書いていこうと思った。どうせすぐに飽きるけれど。

場所は宇宙船、時は不明。過去かもしれないし未来かもしれなければ今かもしれない。過去の建物や過去の友人が出るかと思えば未知の技術や生物、友人も出た。
宇宙船といってもそこは広く建物あれば道路も道を走る車もあり、一つの孤立した街のようなもののような印象を受けた。

宇宙船内の人々は進化の過程で二つの種族に別れていた。船内の医師から多くのケア(といっても実験のようなもの)を受けた結果、副作用により己の体で元来人間が持つ何らかの物質を作り上げることが叶わなくなった人間と、医師のケアを受けることがなく体の作用は本来の人間と同一であるというものの二つが共存していた。

前者と後者をここでは便宜上新人類と旧人類と呼ぶことにするが、夢の中では明確な呼称は存在していなかった。ただ、宇宙船研究者の中では新人類のことを放射線汚染者と呼ぶ者もいた。

新人類はケアという名の元で定期的に血清を接種されていた。新人類はこれを拒むこともできたが、長期に渡り拒む場合精神が激しく消耗され、また何らかの外傷によりできた傷口の治癒が著しく遅くなる、あるいは治癒されず血液が流れ続けるようになるということになった。

血清には旧人類の血液が含まれておりその血液は血液検査の名目で採取されたものが使用されていた。旧人類の血液に含まれる成分により新人類が作り出せない物質を補っているらしかった。

このことは新人類及び旧人類には知らされていなかった。

新人類の中には富を多く蓄えた者や権力者が多く、旧人類のことを蔑ろにしていた。もちろん、旧人類も嫉妬のような感情を持ち合わせてはいたが、両者の関係はそれほど険悪ではなく共存している関係にあった。

ある時、医師たちが所属する研究所の中で何かが起こった。罵り合いに重点を置いたとても議論とは言えないような議論の末、ある者は宇宙船から脱出し、ある者は死亡し、また残された者達は研究所を締め切ることにした。

研究所の内部で毒ガスが漏れたかあるいは空気がなくなったのか、夢の中のことなので詳細は覚えていない、或いは語られなかったのだが、研究所の者達は以降宇宙服を着用せざるをえなくなった。また、研究所外の被害を無くすために研究所を遮断した。

こうして研究所との連絡が遮断されたことにより、新人類達は従来のようにケアを受けることが叶わなくなり、精神が磨り減り、外傷に怯える日々が続くこととなった。

また、旧人類達も研究所が遮断され医師とのコンタクトがとれなくなったことにより、疫病、疾患への恐怖や不安感。また、新人類達よりも劣っているという本能的劣情感によりひどく不安定な精神状態となった。

新旧問わず多くの人々の中には長くはないであろう行く末を案じ、自ら命を絶とうとするものも少なくはなかった。

ある者は「死ぬために飛行機に乗る。」と言い、私はそれを説得しようとしたが能わず、渋々空港まで見送りにいくことにした。

とりあえずここでの呼称は友人としておくが、現実ではもう疎遠になったかなり昔の友人だった。私の見る夢にはよくあることだが。

とにかく、なんとか彼の考えを思い改めさせることができないものかと道中無理やり食事をさせたり煙草を吸うためといい立ち止まって話したりしたものの、考えは変わらないようだった。

そして諦めた私は、空港まで少し距離があるのでバスを使おうと提案するも、バスは友人と同じく死を決意した者で満たされており、私たちが乗ることは叶わなかった。

それなら歩いていけばいい。と友人は言うが、そもそも私がどうしてついていかなければならないのか。と少し苛立ちを感じた。しかしどうせ死ぬものに怒ったところで何にもならないと思い表には出さなかった。

場面は飛んで空港。空港はやはり死を望む者達で溢れており、人が多くいるわりには静寂に包まれていた。

友人を空港まで送り届けたわけだからこのあたりで足早に帰路につこうと思い友人に別れの言葉を告げるが、友人に「運賃が足りないから金を貸してくれ」と頼まれた。

私はその申し出を断った。死ぬと言っている者に金を貸したところで返ってこないことがわかっていたからかもしれないし、単に愛想が尽きたからかもしれないし、死ぬものに憎まれたところで何もおこらないと思ったからかもしれない。

とにかく私は帰路についた。




目覚めから数時間経ちこれから先は途切れ途切れにしか思い出せず書いてもメモという意味を成さないだろうからここで終わりとする。